専門医講習会でお勉強@神戸
2017.11.12
土曜日は診療日ですが、お休みをいただきまして大変ご迷惑をおかけいたしました。
今週末は神戸まで赴き、耳鼻咽喉科専門医講習会に参加してまいりました。
耳鼻咽喉科の日常診療へのアップデートはもちろんですが、
癌や手術の最新のTOPICも拝聴いたしました。
医学は日進月歩で様々な疾患概念が出現したり,新しい治療機器・治療薬が登場したりと非常にワクワクできた講習会でした。
また、耳鼻科疾患に関わるものだけでなく、医療安全管理(リスクマネージメント)や医療倫理のお話しも聞くことが出来ました。
その中でも、医療倫理の分野において関西大学化学生命工学部教授片倉先生の話が胸にグサッとくる内容でしたので
その講演の話をさせていただきますね!
講演テーマは
“科学に携わる人のための倫理”
でした。
なんだか難しそう。。。
Well-being(幸せ)が倫理観をもたらす
倫理というと、人間とはこうあるべきだ!こういう思想をもつべきだ!
などなど、窮屈で堅苦しいイメージがありますが、、、
本講演では、片倉先生は”志向倫理”という言葉を用いて、
神戸製鋼の不祥事の話題を例に
倫理観は強制されるものではなく、倫理観はおのずと生み出されるものでなければならないとおっしゃっていました。
おのずと倫理観が生まれてくる?
みんながそれぞれ倫理観が生まれるスキルを身につけられたら、そんな素晴らしい社会はありませんね!
犯罪も減るでしょうし、争いも減るでしょう。
たしかに、ごく一部の人を除けば基本的に人は良心をもった善人です。
しかし、全くの善人になることが出来るのでしょうか?
先生はこのために必要な条件は
それぞれのWell-beingすなわち幸せを実感すること
であるとおっしゃっていました。
人は幸せを強く実感している人ほど、倫理観が強いそうです。
幸せになれる社会が求められるのです。
そして、なんと!
科学的に幸せになれる方法!
についてもお話がありました。
ワクワク!
科学的に幸せになる方法
本当に科学的に幸せになれるのでしょうか???
ここで、先生はアメリカの有名な心理学者であるマーティン・セリグマン氏の話を例に挙げられていました。
マーティン・セリグマン氏はポジティブ思考で幸せになる研究で有名な方だそうです。
彼の著書からの引用で幸せ(Well-being)を実感するためには次の条件があるそうです。
・美味しいものを食べたり、美しい景色を見たりした時の幸せ(Positive Emotion)
・すべてを忘れ何かに没頭できる幸せ(Engagement)
・恋人や友達・家族と過ごす幸せ(Relationship)
・人や社会に貢献していることが実感できる幸せ(Meaning)
・目標を達成した幸せ(Achievement)
の5つに分類されるそうです。
そして、この5つを意識しながら過ごすか、過ごさないかでその人の幸せの実感値は大きく違うそうです。
しかしながら、この中で最も難しいのは、
人や社会に貢献していることを実感して過ごせる(Meaninng)
だそうです。
自分の存在が社会にとってどんな意味があるのか、他者にとってどんな意味があるのか?
そして、たとえ毎日人のために過ごしていても、それを幸せであると実感することはかなり難しいですよね。
うんうん!納得です。
その点、我々医療従事者は恵まれています。
人のための事で仕事させていただいています。
毎日の仕事がMeaningなのですから、それを幸せだなと感じながら
専門職としての倫理観を持って、
日常診療にあたろうと改めて思いました。
さてさて余談ですが、せっかくの出張でしたので
神戸で美味しいお肉を食べて(Positive Emotion)、学生時代の仲間と談笑(Relationship)したりと、
ちゃっかり他の幸せも実感できた充実した講習会でした。
あはは笑