お知らせ

嗅覚障害について

2020.04.01

某有名選手の新型ウイルス感染報道で話題となった嗅覚障害について簡単にまとめてみました。

嗅覚障害は確かに症状の一つであり、

無症候性の方の初期症状としては多い症状のようですが、

まず、嗅覚障害=新型コロナウイルス感染症ではありません!

そして、新型コロナウイルス感染症の嗅覚障害の割合は30%程度と言われており、自然回復が多いようです。
また特効薬はありません。2週間程度経過を観察して改善がないようでしたら耳鼻咽喉科外来での相談を承ります。

においのメカニズム

そもそも、においは脳神経の一つである嗅神経の先が鼻内に存在し感じるものです。

そして、においの素がその神経細胞にくっついて、そこからの信号が脳に送られにおいを感じます。

editor_20190505082505_JXTE

嗅覚障害は3つある

 

嗅覚障害(においがしない状態)というのは下記の大きく分けて3通りです。

  • 呼吸性…においの通り道がポリープやアレルギー性鼻炎による粘膜の腫れによりブロック
  • 神経性…風邪のウイルスなどが嗅細胞を直接傷害してしまったり、頭をぶつけるなどで神経が切れてしまう。

     ➡新型コロナウイルスによる嗅覚障害はこれです。

      コロナウイルスによる嗅覚障害は自然治癒例が多い。

 

  • 中枢性…脳梗塞や脳腫瘍などでにおいを感じる中枢が障害を受ける

 

においの治療

 

  • 呼吸性…ブロックしているものをなくす治療

アレルギー性鼻炎の場合は抗アレルギー薬・副鼻腔炎が原因の場合は抗生剤など

 

  • 神経性…点鼻療法や漢方の内服が一般的です。

ステロイド点鼻が頻繁に用いられ、漢方は当帰芍薬散・人参養栄湯が多く用いられます。

 

また嗅覚刺激療法というリハビリテーションがHummel先生が提唱されており、

数年経過後にも治ることがある疾患ですので粘り強いリハビリが重要と言われています。

一覧へ戻る

ページTOPへ